
みなさん「タイパ」という言葉知っていますか?
タイパはタイムパフォーマンスの略で、辞書のトップメーカーである三省堂の「三省堂 辞書を編む人が選ぶ『今年の新語2022』に選ばれた巷で話題の言葉です。
タイパという便利な言葉が現れた
2023年.2024年と時間が経つにつれタイパという言葉はさまざまな業界で使われるようになりました。
- タイパ重視のコンビニジム「chocoZAP」がアツい!
- タイパを重視した学習のため多くの人が通勤時にオーディオブックを利用しています。
- TikTok視聴者は「タイパ」重視!TikTok攻略の鍵は最初の1秒!
しかしこの「タイパ」という言葉。多用され過ぎていると感じています。
若者の消費行動はほとんどが「タイパを重視しているから」で片付けられ世の中の全ての事象がタイパで片付けられる勢いです。
このブラックボックス化した「タイパ」という言葉を紐解いていくのが「#タイパ研究所」です。
公式から考えるタイパというブラックボックス
少しだけタイパという言葉の矛盾を体験していただければと思います。
1つ目の矛盾は「タイパの公式」です。
まずタイパの意味を辞書で調べると、かけた時間に対しての効果(満足度)と定義されています。

この公式から考えると「タイパがいい」とはどのようなこと・状態なのかを考察します。

例えば飲食店を探すときに
Aさんはこれからよる夜ご飯を食べにいきます。徒歩5分のところには500円(500円の価値がある)の牛丼屋が、電車で50分のところには5000円(5000円の価値がある)の焼肉屋があります。タイパがいい夜ご飯はどのような夜ご飯でしょうか。
辞書に書いてあるように[タイパ=満足度/時間]と定義し、単純に金額を満足度と捉えると、牛丼も焼肉も同じタイパになってしまいます。では近くの牛丼と遠くにある焼肉はタイパが同じなのでしょうか。

今回の計算では金額=満足度と捉えましたが、Aさんが焼肉よりも牛丼の方が食べたい気分だった場合は牛丼の方が満足度は高くなります。
もし焼肉が美味しくてもその日の店員さんの態度がとても悪かったら焼肉の満足度は下がってしまいます。
満足度という数値は、予測不可能な外的要因によって決められることがわかります。よってタイパの良し悪しは[タイパ=満足度/時間]の公式だけでは判断することが難しいことがわかります。
2つ目の矛盾は「ショート動画」です。
ネットの記事を見ていると、タイパやタイパ的消費の事例にショート動画の閲覧や動画の倍速視聴が挙げられています。
限られた時間の中で一つ一つのコンテンツを短くしてより多くのコンテンツを楽しんだり、情報収集の時間を短縮しましょう、という意味合いで説明されています。
しかし多くの人は「朝起きで気づいたらTikTokを見て数時間経っていた」経験があると思います。本来タイパを意識するためと言われているTikTokを消費していたらものすごい時間が経っているという矛盾が起きています。
#タイパ研究所
タイパという言葉の2つの矛盾を挙げました。タイパという言葉を深掘りしていくと、令和の人々の消費に対する考え方や、Z世代と括られた若者の考えていること、どうしてみんなSNSをずっと見ているのか、などさまざまな社会の出来事の本質が見えてきます。
これからも「タイパ」を起点に、社会で起こっている出来事を考察して「#タイパ研究所」に残していけたらいいなと思っています。
補足すると米山は学者でも研究者でも評論家でもありません。ただの一般人がぶつぶつと考えていることを文字に残しているだけです。「へーーーなんか変なこと考えてるなー」程度で読んでいただければ嬉しいです。